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福山雅治が1歳上と最近気づいた悩めるアラフォー、本好きボウズの読感独白


by bouzujin

2010読書録3

7 『沈黙のファイル』 「瀬島龍三」とは何だったのか 共同通信社 社会部

大本営参謀 にして 戦後 伊藤忠商事会長 中曽根首相等のブレーンなどをした人物、
瀬島龍三を中心に戦後を考える内容。

国家のためという強烈な自意識の元での数々の仕事。「中曽根ごときのためにやってるんじゃない
国家100年の計のためにやってるんだ」 本人談。取材班曰く こんなにプライドの高い人間に会ったことがないと。

ただし 別段で 国家のための仕事とは何ですか? と聞かれた際には 答えられていない。。。

国家のため という意識のみ 本人達はどこにも悪意のないまま 戦争に突っ走る軍官僚組織。
独断専行し、失敗した人間が責任を取らされない状況。後戻りできない構造。欠けているのは単純な想像力。
そしてその多くが戦後政治・経済の一線で活躍。

分析能力というか取捨選択と文章能力に優れた官僚に頼らざるを得ない中で
(役割としてそれは必要) 政治家に必要なのは なんで? なぜ?いくつかの視点から質問できる
明確な目的意識なのか?

解説で 昨日読んだ 「ミャンマーの柳生一族」にて 香ばしいキャラに描かれていた
船戸与一さんが 出てきて 妙なシンクロニシティ。

ふかーく、考えさせられる本。 
by bouzujin | 2010-01-14 01:14 | 社会